夏目友人帳

夏目友人帳 (1) (花とゆめCOMICS)

夏目友人帳 (1) (花とゆめCOMICS)

評判なので購入してみましたけれど、自分も面白く読めました。普通の人には見えない妖怪が見える夏目が、同じく妖怪を見る事が出来た祖母の遺した友人帳を手にし、そこに記された妖怪の名前を彼らに返して行く、というのが大まかな粗筋ですが、新しい世界を知る事の驚きと喜び、知ってしまった自分と知らない・知ることの出来ない他人との差異、本来は繋がらない二つの世界を繋げるカタルシスとそれが何時までも続く事の無い一時の物で有る儚さと、それでもそこに意味を求めて振舞う心の有り方等、異世界青春人情物といった内容が良く描けていると思う。この辺りの上手さは作者が主人公の立ち位置の設定のバランス配分に気を配っている成果なのだろうし、それが主人公のどちらの世界の住人にも向ける優しさと憂いの両方が篭った眼差しを印象に残る物にしているのだと思う。少女漫画と少女漫画的表現が嫌いで無ければお勧め。

評価:★★★★