たくまる圭：アカシヤの星(3)

アカシヤの星 3 (IKKI COMICS)

主人公隆星が道を違えた親友正宗と和解し、再婚を切っ掛けに険悪な関係になっていた父親を許す事が出来るまで4話80ページ弱と随分と駆け足で進行したという印象が強いかな。2巻での隆星の空回りな恋愛話（あれは読んでいて痛かった・・）が結構長めだった事に比べると偉く扱いが違うような気が。それでも、父の再婚相手マリアの出産を見届けてから隆星が「オレにも護る物があるんだ」と幼稚園の立ち退き工事を阻止しにいく姿、そして結局立ち退きさせられてもそれでもひっそりと商店街の片隅で続けられている幼稚園の日常で閉められるラストは綺麗にまとまっていると思う。

単行本には3話からなら短編「僕らは長く夢を見る〜俳句甲子園〜」が収録されてます。学校対抗で俳句を詠み合い互いに批評しあう事で優劣を決める俳句甲子園出場を目指す俳句部3人の青春ストーリーといった所でしょうか。自分は俳句の良し悪しが一切判らないので、作中で俳句が詠まれる度に主人公や観客が「なんてセンスがない句なの・・・」「・・・スゴイなんて完璧な句なんだ・・・」と大げさに驚いていたりしている様が妙に面白かった。
★★☆