知らない場所を歩く事が好きだ。
所要で出かけた帰路を来た道とは違う経路で辿る事が好きだ。


ナビゲータは自分の記憶と街の案内版。コンビニが有る所なら余程の事が無い限りは大幅に道をたがえる事など無いが、多摩の果ての地では中々そう都合よくコンビニが存在しない場所もある。そういう場所での彷徨は不確かな気持ちと気楽な気持ちが相半ばしていて周囲のささいな変化に対しての感覚が鋭敏になっている事が自分でもはっきりと判る。


知るはずのない景色に強烈な既視感を覚え、どうという事も無い筈の霧のかかる色づき始めた山並にかつて自分が過ごして来た景色と空気を感じ、そうして今日もまた多摩の果で遭難するので有る。


帰宅後は9時間程爆睡。
普段眠りの浅い自分にとっては、深く眠れるような行為自体にも意味が有ったりもする。