最近購入した本

ヒストリエ(3) (アフタヌーンKC)

ヒストリエ(3) (アフタヌーンKC)

エウメネスの運命は自身の能力の及びのつかない所で暗転しつづけるのだが、一番最初に奴隷のみに転落させられた時の絶望が深かったからなのだろうか、以降のエウメネスは二転三転する状況や環境をあるがままに受け入れつつも、その中で如何に巧く立ち回る事に成功しているように思える。それが単行本1巻冒頭での成長したエウメネスの機知や的確な状況認識にも繋がっているのだろう。


しかし、異郷の地で確たる居場所を気付いた様に思えたエウメネスに運命はまたしても過酷な試練を与える事になりそうだ。4巻目は相当凄惨な事件がおきそうだけれど、そこをどうエウメネスが切り抜けてゆくのか、続きが楽しみで仕方ないです。
スピナス (モーニング KC)

スピナス (モーニング KC)

モーニングに掲載されていた霊能力を使う看護婦の漫画。原作者曰く「心霊と看護が結びつく事は自然の成り行き」だそうだが、主人公が霊感のある看護婦である事がストーリー的に絶対に必要な話というのは案外と少ない。単なる職場内の痴情のもつれでしかない話も有りますし(男に逃げられた女性が男の妻に呪いを仕掛けてくるのを主人公が撃退する話など)


単行本には、本誌・増刊掲載分の他に単行本書き下ろしでの2話を収録。之まで語られてこなかった「姉さんの死の事情」もこれで判ります、が、姉さんはなぜ死んだ後妹に憑いているのか?なぜ自分も死人なのに、自分が死んだ事に気付いていない霊たちに「引導を渡さなければ」等と言い出すのか?等については残念ながら全く判りません。肝心なのは底だと思うのだが…。


雑誌掲載時には漫画が下手な事が幸いしたのか、不条理なが味が有って笑える漫画になっていたのだが、改めて単行本で読み返してみると絵でも話でも大味な所が目に付いてしまい単なる下手な漫画に見えてしまうのが残念。誌面の大きさというものも漫画の面白さに何がしかの影響を与える事も有る…のだと思いたい。

オンサイト!(2) (モーニング KC)

オンサイト!(2) (モーニング KC)

この2巻で完結。崖を上るという行為に、主人公である少女のこれまでの生い立ちとこれからの決意を仮託する事でささやかで堅実な一つのドラマを形作っている漫画。連載がもう少し続いていたなら麻耶と瞬の進む道の先には何が待っていたのだろうか、と想像してみたくなる綺麗な終わりでした。短期の終了はちょっと勿体無かったかなと思う。
★★★
三国志群雄伝火鳳燎原 1 (MFコミックス)

三国志群雄伝火鳳燎原 1 (MFコミックス)