ぐるぐるまわるすべり台

ぐるぐるまわるすべり台

お気楽に生きている主人公の登場する「ぐるぐるまわるすべり台」と「月に吠える」二本の短編。両者はリンクしていて、それ単独だと何が始まるでもない何が終わるでもない物語の中でのほんの気まぐれでしかない行動や偶然の連鎖が、結果として何かを生み出す可能性となり得るかもしれない、というケセラセラな日常への賛歌が描かれている。


文章も内容も軽くてさくさく読み進められるけれど、掴み所のない物語は、自分の手の中かするりとら滑り落ちてどこかへ逃げていってしまったという感じで、読後に引っかかる所が少なかったかな。そういう狙いで書いているとは思うけど。