リンダリンダリンダ

リンダリンダリンダ [DVD]

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演奏を行うクライマックスに至るまでには、メンバー達の日常が色々と描かれるのだけれど、ちょっとしたすれ違いだったり、ただの無駄話だったりというものををメインストーリーののバンド話に絡めて盛り上げの材料にするでもなく、あくまでも登場人物達の日常の風景として配置、といった具合に最後まで淡々としたテンポで進む所は、娯楽映画的に見るなら盛り上げ不足という事になるのだけれど、雰囲気を出していてとても良かった。どうという事のない些細な日常の積み重ねが想いでなっていったりするんだよなぁ、というのが年寄りの感想かなぁ。



主演のぺ・ドゥナが良かった。上背があるのに妙に挙動不審っぽい体幹が通ってないんじゃないか?という感じの所在無さげなくねくねとした所作が、とぼけた表情と相まって画面のアクセントになっていたし、わざわざ韓国語を勉強して呼び出してまで告白した同級生を独特の間でスルーするシーン等、笑いををそこかしこで誘って見ていて飽きなかったです。誰も訪れない展示場を任されて一人でいた所を誘われて、一緒に一つの目標を目指す仲間が出来た嬉しさ、といった所も伝わってきましたしね。


それから、主人公達が演奏の時間に間に合わないので、裏方達が即興の演奏で場を繋いでいる場面が面白かった。怪我でバンドに参加出来なかった娘が自信なさげに登場して何を歌いだすのかと思えば「The water is wide」!しかも客が集まってきているし!(笑)屋上で一人きりでやる気0な漫画喫茶を開いている先輩もいい味出してました。


★★★★