アマチュアスポーツも金次第 (朝日新書 45)

アマチュアスポーツも金次第 (朝日新書 45)

緊急出版と銘打たれているとおり、西武の裏金問題や専大北上野球部解散という直近のニュースがフォローされている雑誌並の出版速度には驚かされます。時事ネタを逃さずに出版の機を伺うというのが新書のスタイルなんでしょうか?但しその分といってはなんだけれど内容は非常に薄い。amazonの書評にも同様の指摘がなされているのだけれど、素人でも拾えそうな公開された情報に頼って書かれた内容に依って書かれた情報を紹しているという印象ばかりがめだち、その考察も薄い。著者の愛するラグビー業界の事情や連載担当者であるシギー辺りからメジャーの突っこんだ金銭事情なんてものは入ってこないんでしょうか。結構不思議でもありますし、妙な配慮かなにかで書けなかったのではないか?という疑問も沸かないでもないです。

本書で一貫して述べられているのはトップ選手を獲得するのも育成するのにも資金が掛かるということ。そして、著者はそこまでは触れていないし、多分同意もしないと思うのだけれど、、そういった土壌の上に成り立っているスポーツを観戦・視聴・報道する人間は多分にそういった事はなかった事のようにして、自分のみたい物語 − 純粋で朴訥で初心なスポーツ少年が泥と汗にまみれて美しく負ける、もしくは勝利する −を競技者や競技団体に求めるのにはいい加減無理がありすぎるのではないだろうか、という事は思ったりはします。

In His Times 中田英寿という時代

In His Times 中田英寿という時代

タイトルがいい。良くも悪くもここ10年ほどの日本サッカー界は中田の突き抜けた個性と存在感を抜きにしては語れなかったのだから。突き抜けているが故にこういうタイトルが署名についてしまっても納得できてしまうというか。例えばKAZUという時代だったらどうだろうか。それは多分OKだろう。では、それが例えば中村俊輔という時代だったら?それは多分勘弁して欲しいと思ってしまうよなぁ、よくも悪くも俊輔はあまりにも自分たちに近すぎる(ように思える)

なんて事を考えていたのだが、実際に呼んでみるとこれは書名に偽りありというべきか実質は「中田英寿とわたし」という内容で、中田英寿という人間を通して著者である増島みどりの内面の(精神的な意味での中田との恋愛)物語をよまさせられているというべきか・・・正直いって非常に居心地の悪い読書体験になっていて、既出が大半を占める本でもあるので中盤以降は飛ばし飛ばしにしてしまいました。ちょっと自分的には心の中でSAN値チェックをさせられてしまった気分に(笑)

個人的に良かった所というと・・・J開幕当時の日刊スポーツは増島さんが結構頑張っていたという印象があって与太記事みたいな類のものでもベルマーレ関連の記事が結構載っていたんだよね、という意味でのノスタルジーは感じた所かな。人に歴史ありというかあの頃はみんな若かったというべきか・・・。ついでにいえば、あの頃はZARDの絶頂期だったんだよなぁ、と関係ないことも思い出してしまって複雑な気持ちにさせられます。
???

ひまわりっ ~健一レジェンド~(4) (モーニング KC)

ひまわりっ ~健一レジェンド~(4) (モーニング KC)

アキコが自分を含めた同世代の人間に向けてピンポイントで投げ込んでくる小ネタがね、色々な意味でキツイんだよなぁ。特に音楽ネタ。パフィーT-BOLANだとかX-JAPANだとか、WANDS、そしてお約束の徳永英明とハウンドドッグ。なんでかしらないけれど、あんまり似ていない似顔絵に「ししゅんきに少年から〜」と書きそえてあるだけで脱力し、そして笑ってしまう。この漫画では時々西岸良平の事が触れられているけれど、西岸先生とは違った方向でノスタルジーを刺激してくるアキコは最低だと思う。もちろんいい意味で。節子の鉄壁のいやな女っぷりも突き抜けていてむしろすがしい。
★★★★
とりぱん(3) (ワイドKC)

とりぱん(3) (ワイドKC)

今月のモーニングコミックはアキコとなんこの揃い踏みですか。考えてみると宮崎VS岩手、上京組VSUターン組、既婚VS独身、姉系VS妹系、と何から何まで対照的だったりしてその辺りが連載が増えすぎて読者(俺)が半分くらいついていけなくなっているモーニング誌の現状を表しているようなそうでないような気が・・・。