武装錬金完結

武装錬金 10 (ジャンプコミックス)

武装錬金 10 (ジャンプコミックス)

別に入手困難な本ではないのですが、漸く購入してきました。
少年漫画的なハッピーエンドで終えるために少ないページ数の中で作者が執念を燃やした、という感じだろうか。力技的な描写が目立ち、結末の内容自体は兎も角として話の説得力という部分では大きな疑問が残る。


この10巻に限った事ではないけれど、この漫画の中盤以降の急展開からは、少年漫画の少年漫画らしさ、そして娯楽性と作品テーマの両立とはどのようになされるべきなのだろうかといった事を著者の和月と共に読者が考えさせられるような内容を色濃く含んでいて、メタ的な面白さは有ったけれど、そういった要素を感じさせては本来なら駄目ですよね。作品としての完成度と寿命という点では−方向にしか作用してしかいなかったと思いますし、日常の描写ですらテンションの高い寒い笑いを挿入していた事に代表される、緩急の緩がない常に全力で疾走しているような展開は読んでいていて息苦しさを感じていたりもしたり。著者言によれば評判が悪いらしい戦闘シーンは自分は結構好きなんですけどね。


次の連載機会が何時、何処になるのかは判らないけれど、次回作でのリベンジに期待してます。


★★★