週刊少年サンデー感想

ブリザードアクセル
忘れがちでは有りますけれど、暴力、流血シーンの凄惨な描写は鈴木央の漫画にはつきものだった事を思い出させるような吹雪・六花組と三俣・霧咲組の表情でしたね。これまでの演技で披露されてきた物とは違う、負の感情や狂気の表現で見せるというのは目新しくてよかった。

三俣・霧咲の演技では技についての解説が殆どなかったですが。スケート漫画というよりは演劇漫画を読んでいる様な気分になります。「吹雪・・・恐ろしい子」(お約束)

絶対可憐チルドレン
不二子も兵部も高い能力を持て余し現状に厭いているという点では似た物同士という事なんだろうね。結果が引き篭もりになるかいたずら小僧になるかの違いで。どちらも周囲には迷惑な事には変わらない訳ですが。

満腹でその場からは一歩も動きたくないよ、とばかりに寝そべっているドラ猫にうっかり出会ってしまった子猫3匹、といった具合の不二子とチルドレン達の出会いが今後の展開にどう影響するのかが注目点。皆本が酷い目に会う事は基本として。

週刊ヤングマガジン
中澤佑二物語/塀内夏子

サッカーでの大きな大会が近づくと必ずといって良い程、どこかの雑誌で掲載されるのが実在選手の実録ストーリー漫画。最近発売になったヤングジャンプ増刊のようにそれだけを集めて雑誌としてしまう例もある。

そういえば94年アメリカ大会の時に、というかJバブルの時には、実録漫画+サッカー4コマを集めた雑誌が創刊されたがたった一号で消えたという事実も味わい深い物があった。

という事で中澤佑二物語である。塀内夏子の実録物としては名作・松永成立物語以来なんじゃないかな?前篇後編の前半部を丸々、中澤の恩師が、ブラジルに渡ったけれどサッカーで成功できるとは思えなかった教え子中澤の元に駆けつけるまでを描くという贅沢な構成。

恩師の視点で選手としても目立たなかった中澤がなれない異国の地で苦労しているだろうという推測を重ねさせた上で、最後にはブラジルでも逞しくプレイする中澤で締めて盛り上げる。題材となった選手の足跡を時系列を追って描いているだけの漫画はやたらと多いけれど、それとは一線を画しているのは流石。

自分は信者に近い存在ですから甘いのは大目に見て欲しい(笑。